2021年9月~10月の次世代ビジネスモデル検討WG定例会議レポート

引き続き、感情解析ツールを活用して、オペレーターと顧客のパーソナリティーの相関について分析を進めました。また、普及しているチャット対応におけるおもてなしの定義についても、議論しました。

コンタクトリーズンと感情データに関係性あり

ユーザー企業に感情解析データをお預かりして調べたところ、オペレーターと顧客のパーソナリティーのタイプ一致率が高い方が、通話時間が適正(平均的)になる傾向がみられました。また、コンタクトリーズンによって、出現するパーソナリティーが異なりました。例えば、解約のお申し出の場合は、顧客は冷静で論理的で、オペレーターは熱意があり感情的な割合が高くなりました。一般問合せの場合は、顧客もオペレーターも熱意があり、論理的な割合が高くなりました。
コールタイプによって、パーソナリティーの出現割合に変化があるようです。パーソナリティーの組み合わせに応じたオペレーター研修を実施したり、管理者としてのフォローに活用するなどが考えられるでしょう。
これらの感情データは、次回の応対で活かすようCRMシステムに残すことも有効だと思います。感情解析の今後の動向が面白く、今後も議論が続きます。

メールやチャットにおける「おもてなし」とは

COCでは、おもてなしとを「顧客が求めていることを自ら引き出して、提供しようと努力した結果、顧客との会話に変化や余韻が残った事象」と定義しています。では、チャットにおいて、おもてなしは出来るのでしょうか。
相談系のチャットの場合は、「おもてなし」はあり得るが、手続き系のチャットの場合は、「おもてなし」はなく、迅速に回答すること、素早く問題解決することが顧客満足につながるとの意見がありました。チャットでは、オペレーターは、行間を読む力が求められます。そのため、高い業務知識は前提となります。また、チャットの場合、相手のITリテラシーや前提知識の有無を読み取ることが困難です。いずれにせよ、共通していることとして、オペレーターの入力速度と顧客の入力速度や間が大事でしょう。
チャットで不快な思いをした事例は多くあります。本来は、有人チャットで尋ねたとき、適切なFAQを案内された場合や有人チャット対応中に、顧客が欲しい情報が可視化されると、満足度が高くなると思います。このような応対事例が多くなると、チャットがますます浸透すると思われます。