おもてなしフェスティバル2023開催報告

開催概要

「おもてなしフェスティバル2023」が2023年11月2日(木)アルティウスリンク株式会社「HRDセンター」にて開催されました。また、Zoomによるオンライン参加もいただけるハイブリッド形式としました。フェスティバルのスポンサーは、ジェネシスクラウドサービス株式会社、株式会社イットーソフトウェア、ナイスジャパン株式会社、テクマトリックス株式会社の4社にご協力いただきました。

フェスティバルへのエントリー企業は、昨年もエントリーいただきました株式会社TMJ、株式会社SBI証券、株式会社コンシェルジュに加え、株式会社nijitoの4社となりました。コンタクトセンターでは、人材不足の課題に直面し、研修やセミナーどころではない、という声も多く聞かれる中、エントリーいただきましたことに感謝申し上げます。継続して品質向上に努めることが非常に重要です。優れた音声を選定していただき、おもてなしフェスティバルにエントリーいただいた時点で、品質向上に努めているコンタクトセンターであると言って良いと思います。

COCが取り組むおもてなし診断の解説のあと、おもてなしが出来たコールとそのコミュニケーター(おもてなしREP)の発表と表彰式が行われました。審査員は、ワイズアップ 代表 浮島 由美子 氏、株式会社GALLUSYS 代表 大塚 敏之 氏のお二人でした。

おもてなしが出来たコールの発表のときは、とても会場が沸きました。まさか自社のコミュニケーターの対応が選ばれるとは・・という表情のようでした。

今年は、おもてなしREPのほかに、敢闘賞と入賞が選出されました。例年通り、おもてなしに近いコールがとても多く、レベルの高いエントリーでした。各賞を受賞されたコミュニケーターは、表彰状に加えて、スポンサーからのたくさんの副賞を抱えていました。
その後、診断の解説と併せて、プライバシーに配慮する形で実際の応対ログが共有されました。
一方、「おもてなし」に選ばれなかったとしても、高い品質の音声ばかりであったことに間違いありません。順番を決めるコンテストではないので、自社の音声のどこがおもてなしに至らなかったのか、自社の品質基準とどう違うのか、どこに改善する余地があるのか、皆さん、午後の個別フィードバックで、多くのことを持ち帰って頂いたと思います。

午後のセッションでは、おもてなしREPに選ばれたコミュニケーターに対するインタビューが行われました。コミュニケーターには昼休みをシフト調整して頂いて、オンライン参加して頂きました。受賞された感想、キャリア、普段心がけていることなどをお話し頂きました。コミュニケーターご本人の印象に残っている音声をエントリーして頂いたそうです。実は昨年エントリー頂いており、1年間の努力の成果なのでしょう。

その後のセッションでは、テクマトリックスの佐山様から「身近に迫るサイバー攻撃の脅威」として、普段聞けない話をセキュリティーの重要性を教えて頂きました。また、「督促オペレータ奮闘記の舞台裏」では、皆さんお馴染みの月刊コールセンタージャパンの4コマ漫画家である榎本様から、なぜ4コマ漫画を始めたのかなど貴重なお話を伺うことが出来ました。ANA総合研究所の松橋様からは、「今、私たちが取り組むべき地方創生の重要性」と題してプレイス・ブランディングの解説があり、強いブランディングが地方にとっても重要であり、コンタクトセンターも頑張る必要があると感じました。アサイアンの小池様からは、「変化の続く企業とユーザーのコンタクトチャネル」と題して、ヒトがやる仕事の価値が上がってくことについて解説を頂き、私たちも勇気を頂きました。

参加者とのワークショップでは、「EX(従業員体験)を高める方法」について議論が行われ、3チームに分かれて、時間オーバーするほど、活発な議論が行われました。オンライン参加の方からも、Q&Aを利用してテキストで意見を頂きました。オンライン参加ですと、システム上、どうしても議論ができないので、申し訳ありませんでした。
午後のセッションは、普段聞けない内容ばかりですし、講師と参加者、参加者同士の横のつながりも深まったようです。

フェスティバル開催後は、エントリー企業の皆さまやスポンサーの皆さまと懇親会を行いました。30名近い参加となり、大いに盛り上がりました。皆様、ありがとうございました。

おもてなしが出来たコール

おもてなしが出来たコミュニケーター(おもてなしREP)として、1名が選ばれました。
また、敢闘賞は2名でした。

おもてなしREP 藤本 美幾 様
(株式会社コンシェルジュ)
敢闘賞 池田 敦子 様
(株式会社コンシェルジュ)
堀 友香 様
(株式会社SBI証券)

(あいうえお順)

参加者の声

  • お客様と程良い距離で寄り添う応対だと感じました。かしこまり過ぎず、お客様が話をしたくなるような心地よい声と口調も印象が良かったです。(エントリー企業)
  • 提案のタイミングがとても自然でした。お客様との距離の詰め方は非常に参考になりました。(エントリー企業)
  • 受賞された方の生の音声をきくことができ、他社様の音声を聞く機会はないため非常にためになる内容でありました。賞を取られるような方の音声であるため、非常にテクニカルなものだと思っていたのですがそうではなく、お客様のお気持ちに寄り添うような回答や、お客様へいい意味での親しみやすさがあるように感じられました。(アウトソーサー)
  • “おもてなし”とはこれだ!と思いました。以前と違う、お客様もコミュニケーターも心から会話しているところに感動しました。(一般参加者)
  • ワークショップで別会社の方々のリアルをうかがえたこと、講演内容など、イベントの詳細を把握せずに参加したのですが、期待を超える学びがありました。(エントリー企業)
  • 音声はもちろんなのですが、セミナー内容が幅広く、自社センターの状況と照らし合わせながらずっとオンラインで拝聴いたしました。現場OPさんの考え方はいつもすごいなと感じます。仕事への姿勢が応対にあらわれることを改めて実感しております。また、Acyan様のLTVなどの業績指標との連動は、OPの公平な評価としてやりたいと考えていたことなので、勝手ながら背中を押された感覚です。(アウトソーサー)
  • 初めて参加させていただきましたが、このように日ごろの応対を賞賛する場は、オペレータ―のモチベーションのためにも大事だと思いました。他社のオペレータ―もそうですが、普段となりで対応しているオペレータ―の声すらもなかなか聴けない環境でお仕事をされているというのを改めて認識しました。最中で仰っていた、評価される、表彰されることが目的ではなく、お客様に満足していただける、課題を解決することが、私たちコンタクトセンターの役割であることを当社でも改めて認識をし、応対品質向上に努めたいです。(アウトソーサー)
  • 1日あっという間のイベントでした。本日の学び、気づきを自社の部門に活かしたいと思います。(一般参加企業)

審査所感

COC理事 大西美佳

 今年は4社のエントリーがあり、8コールを診断させていただきました。例年通り、各社センターでは応対品質がトップレベルであろうコールのエントリーばかりでした。技術レベルは本当に高くなり、すべての音声においてすばらしいと評価できる要素がありました。
毎年のことですが、おもてなしRepとなった方のお話には深く胸を打たれるものがあります。会社としてのルール、ある意味制約がある中で、ごくごく当たり前に応対しているお客さまのことを考え、コミュニケーションを取る。この当たり前で簡単に感じる、しかし、実はいちばん難しいことに日々たゆまずに努力をされていることに感銘を受けます。
おもてなしを実現するためには、偏った目線を持たず、常に自分の置かれた状況を客観視できるバランス力もひとつの要素であると考えます。
人材難が進み、現場の皆さんはお忙しい日々であると推察しますが、今回そのような情勢の中でエントリーしてくださった企業の皆さまには深くお礼を申しあげます。また来年も会場でお会いできることを楽しみにしております。