2024年10月~11月の次世代ビジネスモデル検討WG定例会議レポート
オンライン会議形式で、第244~247回の計4回開催しました。
【おもてなし度の測定に向けて】
感情解析データを活用したNPSの類推
機械学習の活用によるNPS算出について、業務上、意味のない変数index_endが寄与していたため、偶然、相関性があるように見えていたことが分かりました。そこで、例えば、顧客満足度(1~5)を連続変数として評価するなど、他の方法で、NPSの類推ができないか再検討することになりました
【2024年の研究テーマ】
Customer Experience
今回は、「CX ROI ハンドブック: カスタマー エクスペリエンス ダッシュボードと報酬」という論文が共有されました。
• 顧客価値と従業員価値は密接に関連しており、相互的です。従業員の価値は、従業員のエクスペリエンスが顧客エクスペリエンスを最大化するときに最も高くなります。このように、予算が増えると、従業員は充実し、力を得ることができます。顧客がすべての資金を提供し、従業員はその資金に対して価値を提供します。
• CX ダッシュボード、報酬、表彰により、マネージャーが顧客の期待するものと得られるもののギャップを埋め、ギャップを防ぐことに集中できるようにすることで、最も愛されているブランドになります。顧客が得るものと期待するものの 1 対 1 の比率を追求することで、あらゆる側面での成長において業界標準を上回る価値文化を確立できます。
全社的にCXを数値化する活動は良いが日本ではあまり見られません。ただし、EXとCXの関わりを意識している企業は日本でも多いと思います。この論文では、CX ROIをベースに、従業員にボーナスを支給する視点が斬新です。ただし、経営ダッシュボードにCXを入れることは、ハードルが高いと思われます。
続いて、テクノロジーの進歩などの大きな出来事に気を取られて、肝心な顧客体験を破壊してしまうという内容の論文について共有されました。
• 私たちは「大きな」こと (テクノロジーの進歩、ビジネスの変革など))に集中しすぎて、ビジネスにおいて改善できる無数の「小さな」ことを忘れたり、無視したりする傾向があると指摘しています。
• こうした小さなことは、個別に見ればビジネスの成功を脅かすものではありませんが、全体としては、私たちのビジネスや、私たちが提供しようとしている顧客体験に、深刻ではあるが目に見えない脅威をもたらす可能性があります。
悪い顧客体験によって、不快に感じるポイントは、北米でも日本でも似ているようです。LINEの友だちになることでクーポンを提供するようにしても、結局、リピーターになることは少ないと思います。そもそも、ブランドが好きだと、通知やニュースも苦にならないのですが、ロイヤリティーが醸成される前のプッシュ通知は、逆効果だと思います。
次に、Z世代の行動に関する論文です。
今シーズン、Z世代の買い物客はホリデーギフトを購入する可能性が2倍に
組織がZ世代/ミレニアル世代のセルフサービスへの期待に応えるためにどう適応できるか
• Z世代の回答者の55%がソーシャルメディアを閲覧中にオンライン購入を行ったと回答したのに対し、年齢層全体の平均は38%と大幅に低いことが示されました。
• Z 世代とミレニアル世代は、テクノロジーを身近に感じながら成長し、情報に即座にアクセスして迅速に問題を解決することに慣れています。彼らは自律性と効率性を重視し、人間の介入を必要とせずに自力で答えを見つけ、問題を解決することを期待しています。
Z世代は、SNSで個人が発信していることを信頼しているようです。ただし、引き際も早いのが特徴です。SNSを見ながら買い物をするのが若い世代、投資詐欺にあうのが高齢者かも知れません。
来月は、2025年の研究テーマについて議論したいと思います。興味のある方は、お気軽に事務局までお声掛け下さい。